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動物たちが生きる場をつくる 希望の一歩(新書余滴)
大塚敦子 2023年6月、私はボルネオに出かけました。オランウータンの森を修復するための植林プロジェクトにボランティアとして参加するためで、じつに3年半ぶりの海外旅行です。それは私にとって、先日上梓した『動物がくれる力 教育、福祉、そして人生』の「おわりに」で書いたことの「...
岩波新書編集部
2023年9月19日読了時間: 11分
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社会科学を語る言葉/語る人(新書余滴)
宮永健太郎 「地球温暖化問題に関心はありますか?」 突然ですが、みなさんは地球温暖化問題に関心はありますか? インターネットの大海原からわざわざこうしたページへと辿り着くくらいですから、少なくとも知的な関心はお持ちなのだろうと想像します。しかし広く世の中や社会に目を移すと、...
岩波新書編集部
2023年5月26日読了時間: 8分
1,762


岡本隆司『曾国藩 「英雄」と中国史』刊行によせて
文明の傀儡(くぐつ)としての「英雄」 瀧井一博 人物の偉大さについて 司馬遼太郎の言葉と記憶しているが、「中国の陶磁器には神業を感じ、日本の焼き物には作者の個性を思う」との述懐に接したことがある*。岡本隆司氏の『曾国藩』を読み、あわせてそれ以前に刊行されていた同じ岩波新書の...
岩波新書編集部
2022年9月26日読了時間: 12分
1,764


先行公開:中西嘉宏『ミャンマー現代史』
8月19日発売の中西嘉宏『ミャンマー現代史』の「はじめに」を、発売に先がけて公開いたします。 * * * 2021年2月1日、東南アジアの西に位置するミャンマーで、この国の事実上の最高指導者であるアウンサンスーチーが軍の部隊に拘束された。首謀者は、ミャンマー軍最高司令官のミ...
岩波新書編集部
2022年7月27日読了時間: 7分
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ウクライナ侵略のゆくえを考える(大木毅)
ロシアのウクライナ侵略がはじまってから3か月余を経た。この間、今回の戦争とかつての独ソ戦に類似性を見て取ったためか、拙著『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書)をお読みくださった方も少なくないと聞く。また、筆者はさきに、2月の開戦から3月末までの展開について、用兵思想と戦史・...
岩波新書編集部
2022年6月10日読了時間: 9分
8,571


ある歴史家の決算報告(大木毅)
著者が、いわば醒めたパトス、冷静さを失わない情熱をもって、そのような課題を追求した動機は、今日まで根強く残っているヒトラーの「虚像」に歴史的事実を対峙させ、前者の虚偽を知らしめたいとの願いであった。
岩波新書編集部
2021年9月28日読了時間: 6分
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『ユーゴスラヴィア現代史 新版』によせて
山崎信一・鈴木健太 ※8月27日に刊行となった『ユーゴスラヴィア現代史 新版』。歴史学の名著として知られた旧版を改訂するさなかに、著者・柴宜弘さんが急逝されました。その思いを引き継いで出版作業にあたられた山崎信一さん、鈴木健太さんに、本書の意義をご執筆いただきました。...
岩波新書編集部
2021年8月30日読了時間: 11分
8,389


2021年7月の南アフリカ騒乱から歴史をさかのぼる
堀内隆行 ※多数の逮捕者、死者が出るほど大きな騒乱が生じた南アフリカ。直接のきっかけは前大統領の汚職疑惑ですが、ここまで大きな騒乱となった原因はどこにあったのでしょうか。岩波新書『ネルソン・マンデラ――分断を超える現実主義者(リアリスト)』の著者に、問題の起源をマンデラにま...
岩波新書編集部
2021年7月31日読了時間: 10分
2,038

「大学」をめぐる夢の残滓(武田徹)
※ジャーナリストであり、大学教員でもある武田徹さんに吉見俊哉『大学は何処へ 未来への設計』の書評をご寄稿いただきました。 本書に収められていた図が眼を引いた。「学内政治指向」か、否か、「秩序変革指向」か、否かを示す2つの軸を垂直に交差させて4つの象限を作り、大学教授を4パタ...
岩波新書編集部
2021年7月18日読了時間: 12分
2,293

なぜ東京なのか、誰のため、何のためのオリンピックなのか
吉見俊哉 多くの問題が明らかになりながら、開催予定日が迫りつつある東京オリンピック。いったい、誰のための、何のためのオリンピックなのか。このような視点から平成時代を振り返ると、事態の根の深さが見えてきます。2019年に刊行された吉見俊哉『平成時代』の「おわりに 世界史のなか...
岩波新書編集部
2021年6月2日読了時間: 10分
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なぜヨーロッパでGAFAは嫌われ者なのか
宮下紘 総額351億円の制裁金 EU一般データ保護規則(GDPR)が2018年5月に適用開始されてから、約2年8カ月の間にEU個人データ保護当局が科した制裁金の総額は約351億円(約2億7250ユーロ)である、という調査結果が明らかにされました(DLA...
岩波新書編集部
2021年5月6日読了時間: 11分
3,731


繰り返される「全国一律」・「表面的」な地域活性化策
宮﨑雅人 「地方創生」の問題点 拙著『地域衰退』で地方創生の問題点について指摘した。その中で、この政策には主として次の点で問題があると述べた。 第1に、人口減少と地域経済縮小の克服を目指すという目標の達成可能性と結果の評価についてである。...
岩波新書編集部
2021年4月30日読了時間: 7分
1,775

「オピニオン」の政治思想史――国家を問い直す
堤林剣・堤林恵 ※現代におけるデモクラシーの危機。それは、世界の大規模な変容の反映である。この危機を生き抜く鍵は、人々が織りなす「オピニオン」なる曖昧な領域と、その調達・馴致の長い歴史にある。――斬新な政治学入門である堤林剣・堤林恵『「オピニオン」の政治思想史――国家を問い...
岩波新書編集部
2021年4月24日読了時間: 11分
2,043


「ネイティブみたいに」って何よ?──『英語独習法』を読んで
広瀬友紀(言語学者) 『英語独習法』は、見るからに硬派な本である。「すぐに英語がペラペラ」と謳う類いの教材とは一線を画していると、著者も最初に宣言している。よく読めば、「今井先生どんだけダニエル・クレイグ好き?」と、あの大先生の乙女的な側面にちょっとほっこりできるという特典...
岩波新書編集部
2021年4月10日読了時間: 14分
5,984


『尊厳―その歴史と意味』 著者マイケル・ローゼンとふたりの哲学者の対話(内尾太一)
「議論のない哲学は、ボールのないサッカーみたいなものである。」「哲学を役に立つような形で提示しようとすれば、哲学を実践してみるしかない。」そう語るハーバード大学教授のマイケル・ローゼンが書いたのは、尊厳と義務をめぐる現代の啓蒙書だった。(編集部)...
岩波新書編集部
2021年3月27日読了時間: 15分
3,895


今もいる。見えてない。隠されている。――『ひとり暮しの戦後史』重版に寄せて
西田藍 戦後、ひとりで生きた女性たちの記録。 彼女たちの労働と生活は、透明化されてきた。 本書『ひとり暮しの戦後史』に書かれた女性の人生は多様だ。彼女たちの人生を通じて、まさしく戦後史のB面にふれることができる。その多様な人生において、悲しいかな、経済的に豊かではないという...
岩波新書編集部
2021年2月10日読了時間: 6分
12,093


優しかった独身女性たちの記憶、背景を知り瞠目する――『ひとり暮しの戦後史』重版に寄せて
室井康成(民俗学者) 1.身近な存在だった「ひとり暮し」の独身女性 戦争で夫や恋人を失い、あるいは疎開や戦災・戦後の生活難に振り回されたがために婚期を逸し、その後も「ひとり暮し」を続けざるをえなかった女性たちは、戦後30年を経た段階で約100万人いたとされる。1976年(昭...
岩波新書編集部
2021年1月25日読了時間: 9分
4,669


山本太郎:いま、岩波三部作を読む意味
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、「ウイルスとの共生」を論じた山本太郎さんの岩波新書『感染症と文明』に注目が集まりベストセラーとなりました。そして、6月3日には長らく電子版のみで流通していた『新型インフルエンザ 世界がふるえる日』が復刊します。そこで復刊を記念して、山...
岩波新書編集部
2020年5月31日読了時間: 12分
6,881


岡本裕一朗:マルクス・ガブリエルの「新実存主義」とは何か?
マルクス・ガブリエルと言えば、最近ではNHKのテレビでも特集がおこなわれ、「哲学界のロックスター」として、日本でも随分と知られるようになった。彼の名前を使った書物は売れ行きがよく、一般の読者層に広がっているように見える。たとえば、社会的な出来事について、インタビュー形式で発...
岩波新書編集部
2020年3月22日読了時間: 14分
39,796


なぜ日本思想史であって、日本哲学史でないのか?(新書余滴)
末木文美士 1 日本哲学と世界哲学 岩波新書の『日本思想史』のあとがきの最後のほうに、こう記した。 ちなみに、近年、英文でJapanese Philosophyとして、古典思想まで含めた大冊の出版が相次いでいる(参考文献の末尾に記した)。今後、こうした動向も併せて考えていか...
岩波新書編集部
2020年2月23日読了時間: 14分
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